『水曜どうでしょう』旅を彩る名曲とテーマソングの秘話を徹底解説
水曜 どうでしょう 歌の世界は、単なるバラエティ番組のBGMという枠を遥かに超えている。かつて地方の深夜枠で静かに始まった過酷な旅は、流れる音楽とともに視聴者の記憶へ深く刻み込まれていった。
長距離バスの車窓から見える夕暮れや、理不尽な企画に打ちのめされるロケの合間。ふと流れるあの一節を聞くだけで、胸を締め付けられるような甘酸っぱいノスタルジーに浸るファンは少なくない。今なお多くの人々を惹きつけてやまない水曜 どうでしょう 歌の存在は、出演者の軽妙な掛け合いと並ぶ、番組のもうひとつの主役なのだ。
名曲「1/6の夢旅人2002」誕生秘話と樋口了一のエピソード

番組の代名詞とも言える楽曲が、シンガーソングライターの樋口了一が手がけた「1/6の夢旅人2002」だ。実はこの曲、最初から現在の形で存在していたわけではない。オリジナル版である「1/6の夢旅人」は、著作権や権利関係の壁によって一時期そのまま使用することが困難になるという曲折をたどった。
しかし、番組スタッフと樋口の情熱は潰えなかった。アレンジを一新し、よりダイナミックで哀愁を帯びたメロディへと昇華させた「2002」バージョンが再録音される。旅の終わりや劇的な瞬間にこの曲が流れるたび、画面越しに広がる広大な風景と、愚痴をこぼしながら歩き続ける男たちの姿が重なり合い、唯一無二の感動を生み出すこととなった。
過酷なロケを包み込む「サイコロの旅」と劇中歌・挿入歌一覧

『水曜どうでしょう』の代名詞とも言える企画が「サイコロの旅」だ。目が示す運命に翻弄され、深夜バス「博多号」の揺れに耐えかねる大泉洋と鈴井貴之。彼らの過酷な道中を支えたのは、テーマソングだけではない。
番組内で絶妙なタイミングで差し込まれる挿入歌や劇中歌の数々は、時に笑いを増幅させ、時に哀愁を誘う。エンディングに流れる軽快なマーチ「ガタゴト列車」や、企画ごとに選ばれた印象的なBGMの選曲センスは、旅の泥臭さと爽快感を見事に同居させている。劇中で使用された楽曲は以下の通りだ。
- 1/6の夢旅人2002(エンディングテーマ/樋口了一)
- 1/6の夢旅人(オリジナル版/樋口了一)
- ガタゴト列車(初期エンディング曲)
- 各種企画ごとの劇伴・挿入曲(海外ロケや対決列島などのハイライトシーン)
名物ディレクター藤村忠寿が仕掛けた音演出の美学

この番組の音楽表現において、名物ディレクターである藤村忠寿の果たした役割は極めて大きい。藤村Dの鋭い感性は、映像と音をシンクロさせるタイミングにおいて天才的な冴えを見せる。
あえてセリフを遮るように大音量で音楽を被せたり、沈黙の後に唐突にサビを流したりする独特の手法。それはテレビ放送業界における従来の「行儀の良い音響演出」を爽快に打ち破るものだった。計算された破天荒さが、旅の臨場感をよりリアルに視聴者の手元へ届けている。
北海道テレビ放送が生んだ「旅バラエティ番組」の金字塔
制作元である北海道テレビ放送(HTB)は、ローカル局の枠組みを越えて全国にムーブメントを巻き起こした。『水曜どうでしょう』が打ち立てたスタイルは、その後の日本の旅バラエティ番組に計り知れない影響を与え続けている。
低予算でありながら、ありのままの人間模様と絶妙な音楽の融合によって作られた世界観。大仕掛けなセットや豪勢なタレントに頼らずとも、企画と編集、そして心に響く楽曲があれば視聴者の心を掴めることを証明した金字塔と言えるだろう。
NetflixやU-NEXTで『水曜どうでしょう』の旅と音楽を楽しむ
現在、かつてリアルタイムで番組を追えなかった世代や、再びあの旅の熱量に触れたいと願うファンにとって、動画配信サービスの充実が大きな追い風となっている。
NetflixやU-NEXTをはじめとする主要なプラットフォームでは、初期の名作から近年の復活企画まで幅広く配信中だ。高画質・高音質で蘇る名シーンとともに、場面を鮮やかに彩る名曲の数々を心ゆくまで堪能してほしい。画面の向こうで繰り広げられる無計画な旅と、そこに寄り添う温かいメロディは、今もなお私たちの日常にささやかな勇気を与えてくれる。 (出典: 水曜 どうでしょう 歌(Yahoo!ニュース))